特別企画事前アンケート
第28回日本神経内視鏡学会 特別企画事前アンケートについて
神経内視鏡関連用語の整理・統一に向けて
本邦では脳神経外科領域へ内視鏡技術が本格的に導入されてほぼ20年になります。この間、内視鏡及び周辺技術、術者の経験の蓄積により対応疾患は拡大され、より技術的に難易度の高い手術が可能になってきました。第28回の神経内視鏡学会ではこうした状況を踏まえて日常使われている関連用語に関して妥当性の検証を提唱したいと考えております。用語の整理、統一に関しましては学会や論文での議論の正確性、発展性あるいは新しい手術法の保険適応を申請する際にも重要になると考えられます。このため、本会では特別企画として「神経内視鏡関連用語の整理・統一に向けて」を設けました。このセッションでは歴史的経緯、背景を考慮しつつ現状に則した内容が定義されているかを参加者全員で議論したいと思います。検証すべき用語の選択基準には下記の3点を挙げました。これらを考慮して10項目を取り上げました。会場でははこれらを中心に双方向での議論を進めたいと考えております。但し、時間的配分からも内容を絞る必要があると考え、また、より議論の内容を高めるために最前線に立たれているリーダーの先生方に事前アンケートという形でご意見を伺う事と致しました。
学会場ではアンケート調査の結果をお伝えするとともに幅広い年代の会員の皆さんからの活発な発言を期待しておりますので社会状況が許す範囲で現地にご参集頂ければ幸いと存じます。
日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第二病院
（旧 名古屋第二赤十字病院）
脳神経外科・神経内視鏡センター
永谷哲也
選択基準
- 同等或いは類似と思われる内容を表す複数の用語。
- 定義、或いは語句、訳語としての正確性に欠けると思われる用語。
- 歴史的経緯から現状をふまえ再考が必要と思われる用語。
1. 非交通性水頭症でみられる第三脳室の拡大について、ballooningと呼んでいますか、bulgingと呼んでいますか？
- Ballooning
- Bulging
- 両方使っている、または使い分けている
2. 脳室底開窓術、脳室穿破術どちらを使っていますか。
- 脳室底開窓術
- 脳室穿破術
- その他（ ）
3. neuroendoscope-controlled microneurosurgeryの訳語としてどれを用いますか。
- 神経内視鏡下手術
- 神経内視鏡制御下手術
- 神経内視鏡下微小脳神経外科手術
- 神経内視鏡制御下微小脳神経外科術
4. 拡大蝶形骨手術という用語は以下のいずれの意味で使っていますか。
- トルコ鞍底開窓に加え鞍結節、蝶形骨平面までの開窓
- １あるいは斜台までの開窓
- 1あるいは翼口蓋窩、側頭下窩までの開窓
- 1～3すべてを含む開窓
- その他（ ）
5. 中隔粘膜の切開、剥離から蝶形骨洞に到達するアプローチをなんと呼びますか。
- 経中隔アプローチ（transseptal approach）
- 傍中隔アプローチ（paraseptal approach）
- その他（ ）
6. 経鼻開頭同時手術という用語はいずれの定義で使われますか。
- 経鼻ルートと開頭ルートから同時にスタートし両者の共同操作を必ず含む。
- 経鼻ルートと開頭ルートが同時にスタートするが共同操作は必須でない。
- 経鼻ルートと開頭ルートを含むが同時スタート、共同操作は必須でない。
- その他（ ）
7. 下の道具は何と呼びますか。
- アリゲーター鉗子
- 把持鉗子
- その他（ ）
8. 脳室内やチューブリトラクターを用いて水中で行う内視鏡手術を何と呼びますか
- wet-field surgery (technique)
- in water surgery
- under water surgery
- diving technique
- その他（ ）
9. 内視鏡下血腫除去と同様な透明シースを用いて行う手術を一般に何と呼びますか。
- シリンダー手術
- ポート手術
- チューブリトラクター手術
- その他（ ）
10. 内視鏡を外視鏡として使った場合手術名はどう呼びますか。
- 内視鏡手術
- 外視鏡手術
- その他（ ）
